【太れない】少食な人のたんぱく質摂取量について【筋トレ】
結論:体重×1.2gのたんぱく質を確保した上で、無理ない程度にカロリーをなるべく多く摂る。
この記事では健康的に太ることを目的とするため、筋肉で体重を増やすこととして考えます。
そのため、筋トレや運動をしている前提でまとめてみました。
たんぱく質の摂取量について
一般的に「筋トレしてるなら体重×2g以上たんぱく質を摂るべき」と言われています。
本当にそれだけとる必要があるのでしょうか。
最近では手軽に高たんぱく商品が買えるようになりました。
しかし、少食で胃腸の弱い人にとって毎日たんぱく質を体重×2g以上摂るのは負担が大きいです。
その上、筋肉を増やすには1日の食事量をオーバーカロリーにしなければなりません。
普通の人でもなかなかきついのでは?と思うので、胃腸が弱く少食の人には少々無理があると感じています。
そこで、本当にそこまで必要なのか?調べてみました。
まず、健康を維持するために必要な1日のたんぱく質量を調べてみました。
日本人の食事摂取基準(2020 年版)によると体重1kgあたり0.66gとされています。
この場合、良質な動物性たんぱく質での必要量になります。
ご飯やパスタなどのたんぱく質は含めず、肉や魚、卵、プロテインなどからの体重×0.66gだと思います。
体重50kgの人であれば、33gの動物性たんぱく質が最低限必要ということです。
たんぱく質の利用効率は約90%となっていましたので、多少多めに摂るとしてもこれは想像より低い値でした。
筋肉を増やす場合、これよりもたんぱく質を多くとる必要があります。
NSCAのテキストによると、筋肉の増量には体重1㎏あたり1.2-2.0gが必要とされています。
「競技やトレーニング強度、総カロリー摂取量、健康状態によっても異なるが、アスリートの一般的な1日の推奨摂取量は体重1㎏当たり1.2-2.0gである。」
引用:NSCAパーソナルトレーナーのための基礎知識 第2版 124Pより
また、「スポーツ栄養学 科学の基礎から「なぜ?」に答える」という書籍においても同様の記載があります。
「国際オリンピック委員会(IOC)、アメリカスポーツ医学会(ACSM)、国際スポーツ栄養学会(ISSN)が発表している公式見解においても、スポーツ選手のたんぱく質摂取量として、体重1㎏あたり1.2-2.0g/日という値が示されている。
(競技種目の特性や個人差などを考慮し、少し幅を持った設定となっている)」
「先に紹介したたんぱく質の摂取量を検討した研究では、トレーニング実施者の1日のたんぱく質摂取量を1.4g/kg体重から2.4g/kg体重に増加させても体全体のたんぱく質う合成速度に差がないということが明らかとなっている。」
「健康な人であっても、体重1㎏あたり2.0g以上のたんぱく質を摂取すると、腎機能障害や尿路結石、骨代謝異常のリスクも高まるというデータが示されている。以上のことからも、IOCやACSMが推奨しているように、1日、体重1㎏あたり2.0g以上のたんぱく質を摂取するメリットはなさそうである。」
引用:2017年 東京大学出版会 寺田新 「スポーツ栄養学 科学の基礎から「なぜ?」に答える」125,126,136,137Pより
色々な説や理論があるかと思います。
しかしこの本によれば体重×2g以上のたんぱく質を摂取する必要がないだけではなく、健康被害のリスクが高まる可能性もあるということでした。
ただし、ハードな減量中においては、体重1㎏あたり1.6-2.4g程度摂ることが推奨されているようです。
これは減量中の筋たんぱく質の低下や分解などを防ぐためです。
以上のことから最低限体重×1.2gのたんぱく質を摂れば筋肥大は可能であると考えます。
体重50㎏の方であれば1日60gですので、プロテインを使えば比較的楽に達成できる数字ではないでしょうか?
少食で胃腸が弱い人にとってはカロリーの確保が1番大きな課題です。
体重×2g以上のたんぱく質を頑張って摂っていても、全体のカロリーが足りていなければ体重や筋肉はなかなか増えません。
また、筋肉増強のためには1.6-1.7g摂るべきという話もありますが、カロリー摂取量を優先するため最低限の1.2gを確保、残りはカロリー摂取を頑張るというのがまずは良いのではないかと思います。
焦らず消化能力が上がるにつれ、徐々に増やしていければベストです。
もちろん、問題ない方は体重×1.4-1.8gほど摂るのがいいと思います。
まとめ
①体重1㎏あたり1.2gのたんぱく質を目安に摂る
②たんぱく質にとらわれすぎず、カロリー摂取を優先する
③1.2gもきつい場合は、最低限体重1kgあたり約0.73gを目安に摂る
④慣れてきたらほんの少しずつタンパク質を増やす
参考書籍: